シェットランドは、ウールが有名で、なかなか高級である。
みやげもの屋にはセーターやマフラーやひざ掛けなど、あったかそうな毛織物が並んでいて、とてもすてきなのだが、高くて手がでない。
そのことをもうひとりのリーダーに言うと、彼のおばさんがシェットランドウールの編み手だそうで、たのめば安く編んでもらえるよ、ということだった。言ってみるもんだ!
そこで友人といとこの結婚祝いに、手袋を二組編んでもらえるようにお願いした。
秋休み旅行から帰ってきてしばらくたって、手袋ができあがった。淡い色のもの、はっきりした色のものとそれぞれちがっていて、どれもとてもいいものだった。これはあったかいぞう~。チェコで買ったワインの小瓶とあわせて、それぞれを包んで、スーツケースに入れた。出国日がせまっていてばたばたし、シェットランドからは送ることができなかったので、次に行ったスウェーデンから送ることにした。
帰国してから聞いたのだが、友人は突然外国へ行くと言って音信不通になった私が、スウェーデンから贈り物をしてきたので(実際は日本の実家にいったんまとめて送り、親に頼んでそれぞれに送ってもらった)、「いったいどこにおんねん!」と思ったらしい。それから、いとこのだんなさんには帰国してから初めて会ったのだが、とても全体的に大きな人で、これは手袋入らんな・・・暑いだろうし・・・と思ったのだった。
いいのだ。自己満足なのだ。
サプライズもあった。シェットランドで27歳の誕生日を迎えたときに、もうひとりのリーダーが内緒で私への手袋を用意してくれていたのである。とてもうれしかった。あったかくて、真冬のスウェーデンを出るまで毎日その手袋をすることになった。
日本ではもうあったかすぎて必要ないかもしれないが、当時極寒のシェットランド・スウェーデンでは重宝した。やっぱり土地のものっていいなー。